好きな人と「本格中華」

4月5日の日記です。
中前結花 2026.04.06
誰でも

4月5日。母の命日だった。
わたしと父は「4月4日の24:00過ぎに亡くなったから、4月4日だという気持ち」という不思議なこだわりを持ってしまっていたりするけれど、正しくは今日、4月5日。
母がいなくなって。よくここまで生きてこれたなあ、と本当に毎年思う。
母がいたなら、もっともっと違う生き方をしてきただろうなあ。もっと違うわたしであれただろうなあ。文章だって書いていなかったかもしれないし、それはそれで幸せだったろうとも思う。母としたいこと、母と話したいこと、母に見せたいものが山ほどあった。もっともっといっしょにやりたいことがたくさんたくさんあった。それで充分だったと思う。母がいれば、本当に充分だったと思う。

「日にち薬」なんていうものもない、という学びもあった。12年間同じようにずっとずっと会いたくて、ずっとずっと同じ痛み、同じ気持ち。母のことを書いていると、ぽろぽろと涙がとめどなく溢れ出してくる。これからも、きっとそうなんだろうなあ、と自分でわかる。

今日も仕事を進める。体がだるくて少し疲れが溜まっている感じがするのだけれど、そうも言っていられない。
原稿の書き直しをして、販促用の製作物を作る。果てしない作業。終わりがまったく見えずに途方に暮れるけれど、やるしかない。今日はもうひとつ、書き下ろしの原稿に手をつけたかった。ほんの数行だけでも、書き出しを書いて「続きが書きたくなる状態」にしておきたかったけれど、それも間に合わず。7時間を注いでも無理だったものだから、しゅんとする。
明日、明日こそ……。月曜日は原稿しかしないと決めている。ちゃんとその通り、進められますように。上手くいきますように。

夕飯は、以前職場でお世話になっていた大好きな人と、おしゃれで少し本格的な中国料理店に行った。お店の説明には「ビストロチャイナ」と書いてある。
さすがだった。黒酢の酢豚のおいしさといったら!
そして、ふたりで話し始めると本当に止まらない。まったく同じ「辛さ、悔しさ、やるせなさ、怒り」みたいなものを共有してきた……という、ちょっと不思議な関係でわたしたちは結ばれていて、その話をし始めると、もう勢いよく捻った水道のようにドーーーーーーッと溢れ出して止めることができないのだ。改めて、この人の存在に救われていたなあと思う。感謝でいっぱいだ。もちろん、お互いのペットの話や最近の仕事の話など前向きでたのしい話もするのだけれど、そちらも同じようにドーーッと止まらなくて、たくさん笑った。本当にたのしい夜だった。
それからそうだ、そうこの人にiPadの使い方を教えてもらったから、いまのわたしがある。

最後の〆は、麺だった。蛤とレモンが入っていて、さわやかでそれでいて出汁はしっかり濃厚で、本当に良いお味だった。ずっと気になっていたから来られてよかったなあ。
気の合う人と会話すること以上の、気分転換や癒しはないんじゃないかと思う。わたしは、「好きな人と話している時間」が、この世でいちばん好きだ。

※これはエッセイではなく、あくまで紙に書いているつもりの「日記」です。

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