春、とこしえの道のり。

3月30日の日記です。
中前結花 2026.03.31
誰でも

怒涛の1日だった。
なんとか早朝、布団から這い上がって日報・日記・日記配信を。
そしてリビングを大片付けして、午前中から自宅で取材を1件。よく知っているお相手なものだから、終始リラックスムードでたのしく話す。お役に立てたかわからないけれど、無事に終了してよかった。

この自宅写真は、お正月に撮ったもの。

この自宅写真は、お正月に撮ったもの。

そのあとは、別の場所へ移動。写真撮影があるものだからと、ヒールが高めのパンプスで行くことにしたのだけれど、なぜだかシューズクロークローゼットの奥に仕舞ってあった「20代の中頃に買った、激安パンプス」で出かけてしまった。(なんとなく洋服に合っているかな、春っぽいかな、と思ったのだ)そうして、歩いて10分の最寄りの駅に辿り着いたは良いものの、何気なくヒョイと足元を覗いてみると、アキレス腱の広い範囲が真っ赤に染まり、血みどろだった。靴擦れだ。こんなに早く靴擦れだ。なんでこんな靴を履いてきたんだ。
思えば「これを履くと靴擦れをするから」と、奥に仕舞っていたような気がする。そうだ、捨てるべきだったのだ。



そこからは遅延した電車に乗ることになってしまうのだけれど、乗り換えも激痛で歩けたもんじゃない。そして歩くたびに鮮血が流れる。どうなるんだ、これは。
なんとか目的の駅まで到着したけれど、そこからさらに10分ちょっと歩く。ほんの10分ちょっとなのだ。晴れた春空の下、それぐらいの移動なんて「気持ちいい」以外の何ものでも無いはずなのだけれど、わたしは流血女だ。10分ちょっとの間ずっと、心の中で「永遠か!」と叫んでいた。本当にその道のりが永遠のように感じられたのだ。

激痛の足を引き摺りながら、ようやく到着。ティッシュと絆創膏をいただいて、なんとか止血させてもらった。そして運よく持っていた「もしものための、替えのストッキング」に履き替えて一件落着。(なんで持っていたんだ、不思議だ)
そんなこんなでみなさんを少しお待たせしてしまった……なんとも申し訳ない。

***

そして新刊の告知の取材を数件受けさせてもらう。たくさんたくさん撮影いただいた。さらに打ち合わせも経て、帰る支度をしている頃に時計を覗くと、なんと気づけば5時間が過ぎていた。あっという間に夜だ。
いろいろと取材でお話しさせていただいて、自分自身のことなのに新しいことに気づいたり、どの取材もとても勉強になってたのしかった。


さて。仕事も終わったし。
また激安永遠パンプスで帰ろうじゃないか。
5時間経とうが、何時間経とうが、あのパンプスの生地の硬さは変わらない。
また激痛に耐えながら駅までの道のりを歩く。もう心は「無」だった。そして乗り換えにもまた耐える。そこでも心を空っぽにしなければ、もうわたしは足の痛みに耐えられなかった。

さあ、ようやく自宅の最寄駅に着くと、わたしは100均に駆け込む。(もちろん、駆け込むときも痛い)そして「あった!!!!」と思わず泣きそうになる。そう、わたしはスリッパを求めていたのだ。心の底から求めていたのだ。
せっかくだから、激安永遠パンプスと同じ色のスリッパを選んだ。その場で履き替え、スタスタとスリッパで自宅まで帰る。
なんて足が軽いんだろう。なんてアキレス腱に負担がないんだろう。なんて心地良いんだろう。
スリッパでコンビニにも入った。なぜ人は靴擦れで血みどろになると「爆買い」してしまうのか。コーラにポッキー、おむすびにミルクレープ、ポテトチップスにサラダ、ビタミンドリンク……。次々とカゴに入れ込み、パンパンの袋を担いで帰った。
よく考えば、朝から1度も食事をしていなかったかもしれない。
まあ、そんな日もあるだろう。

帰宅して愛犬を愛でる。とてもとても愛でる。さみしかったろう。
そしてヒョイとバッグを覗くと、編集者さんが「おしゃれなおむすび」をくださったことに気づいた。「そうだ、こんな素敵なおむすびがあったじゃないか!」。
頬張る。無心で頬張る。おいしかった……。
取材をたくさん終えた夜は、血みどろになった夜は、おむすびがうまい。

そんなこんなで夜は更けていった。シュンッと過ぎていった。


最後に、想定外の予定がたくさんたくさん入ってしまって、原稿が遅れてご迷惑をおかけしているから、またカレンダーでパズルしてスケジュールを考える。
どうやったって、間に合わない。どうやったって入り切らない。
今後、わたしはどうなっていくんだろう。
今後、わたしはどうすればいいんだろう。
足と同じぐらい胸を痛めながら眠るのだった……。
明日起きたら、なんか奇跡が起きてないかな。。。

※これはエッセイではなく、あくまで紙に書いているつもりの「日記」です。

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