何をしてる人なの?
文筆業。こういった仕事に、「連休」や「年末年始休暇」なんてものはないと思っていたし、年末のギリギリまで働いて、年始はすぐに働きはじめるのだろうと思っていた。
けれども蓋を開けるとどうだろう。
12月27日から1月4日まで、なんともたっぷり休んでしまった。やったことと言えば、この日記の配信と、今年の目標立てと、確定申告の準備くらい。確定申告の準備と言ったって、わたしは税理士さんにすべてお任せしてしまっているから、ただ請求書や経費のレシートを揃えるだけ。とにかく、「脳を使わない」9日間だった。大変ぼやぼやしている。明日から大丈夫だろうか。
大晦日におかずを作り過ぎたために、この期間、毎日お重に追加して「おせちっぽさ」を保ち続けていたのだけど、4日目の今日、ようやく綺麗に無くなった。お正月が終わったのだなあ。
Twitterを眺めていたら、お笑いトリオのハナコさんのラジオ番組で、拙著『好きよ、トウモロコシ。』が紹介されていたことを知る。radicoに聞いてみると、ゲストでいらしていた吉住さんが「おすすめのエッセイ」として紹介してくださっていた。しかも、『ミシンは触らないの』もすでに購入いただいているらしく、これから読んでくださるとのこと。なんてありがたい……。
お笑い好きのわたしにとっては、ハナコさんも吉住さんも大好きな芸人さんであるから、とてもとても嬉しかった。しかしながらただひとつ、考えさせられることもあった。
吉住さんがわたしの名前をどうしても思い出せないというシーンがあり、「ナカマチさん……いや、違う。ナカマ……」と悩まれていた。たしかに、単純な構成ながら「中前」というのは非常に覚えにくい名前でもある。なので、そういったことが起きてしまうのはよくあることなのだけれど、それを思い出させようと、ハナコのお三方が「何をしてる人? その人は何をしてる人なの? ヒントちょうだい」と言ったとき、吉住さんが「わからない……思い出せない……」とおっしゃっていたのだった。そうなのだ。「料理家でエッセイも書く」「漫画家でエッセイも書く」「絵本作家でエッセイも書く」といった具合に、「本業があって、エッセイも書いています」という方が非常に多いなかで、「エッセイばっかり書き続けています」という人間はかなり珍しい人種である。あまりそういった人はいない。おそらく「エッセイ」だけで食べていくことは非常に厳しい、という現実がそうさせているのだろうけれど、実際いまのわたしは「エッセイ」の仕事で本当に手いっぱいであるし、憧憬する作家の山崎ナオコーラさんにも「中前さんにはエッセイを極めてほしい」「小説よりエッセイが下に見られることに憤りを感じる。中前さんにはエッセイを書き続けてほしい」と、恐れ多くも胸がいっぱいになるようなお言葉もいただいた。
だからわたしは「何をしてる人?」と聞かれたなら、胸を張って「エッセイを書いています」と。「エッセイストの中前結花です」としっかり言っていこうと思う。
そんなことを考えた連休最終日だった。
それにしても今日が終わってしまうということが、やっぱりなんともさみしい。そんな胸にスースーと風が吹き込むような切なさを少しでも紛らわそうと、締めとして、夕方は夫と散歩に出かけることにした。寒さに耐えながら、ぐるぐると近所をあちこちを巡る。「ここにスーパーができれば良いなあ」なんて空き地を眺めたりしながら。
そして、体をあたためようとマクドナルドでホットコーヒーを飲んだ。そこでこの9日間を振り返ったり、夫の会社の新しい組織名(夫が名付けなければいけないらしい)を一緒に考えたり、「2026年度は自分で確定申告をやってみようかなあ」なんて無謀なわたしの挑戦について相談してみたりした。わたしたちはここで話し合ったり相談し合ったりすることが多い。ただ、マクドナルドの席に座っているのは2人であるけれども、どの相談も「ChatGPT」を交えて話し合うことが非常に多いから、実質は3人である。そして、いちばんたくさんアイデアを出してくれるのも、いちばん聡明な答えを出してくれるのも「ChatGPT」であるから、この3人のリーダーは間違いなく「ChatGPT」だ。なんてこった。すごいぞ、「ChatGPT」。
年末年始の終わりはなんとも切ないけれど、明日からはやっていくしかない。
おみくじの通り、怠惰に流れず、悦びに溺れず。傲慢にならず、努力を惜しまず精進して、やっていくしかない。地道に地道に。
とても良いお正月だった。この良い滑り出しを無駄にせぬようやっていこう。
わたしは、エッセイストの中前結花です。
※これはエッセイではなく、あくまで紙に書いているつもりの「日記」です。
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